2012年10月29日

教科書とエッセンス(9)

教科書や傍用問題集は単調で面白い読み物にはなっていない。教科書は使わないという人は少なくない。その上、教科書なぞ誰でも持っているのだから水みたいにあまり価値のないもんだと考える人も少なくない。かくして教科書はときに、学校のロッカー、机の中の暗闇に置き去りにされている。

一方で、ブタカバンに入れて持ち運んで家でも傍用問題集やワークを馬鹿にせずきちんとやる人もいるだろう。すると教科書が頭に入る。
入試問題は基本の組み合わせであり教科書からの作問であるので傍用問題集やワークがかんぺきになるまで繰り返すうちに基本が出来上がる。
ここでかんぺきにというのは図表、グラフ、写真、欄外の注、コラムなどの諸資料、資料内の数値のひとつひとつにいたるまでを漏れのないよう読みつくす、考えるというくらいの意味である。
教科書を見れば入試の出題範囲と出題内容がわかる。


「接弦定理は出ますか。」
教科書を開きなさい。


「重要な英文はどれですか。」
全文暗誦しなさい。


後に受験生になって難しい(と思われがちな)入試の過去問をやるときでも、教科書と傍用問題集を身につけていた人は、入試問題において教科書の基本がどう利用されているのかがよくわかる。
教科書には解答解説まではついていないケースも少なくないが傍用問題集にはそれがあり自学自習できる(部分もかなり多い)。
そういうことがあるので傍用問題集や教科書をかんぺきにやることはそのまま入試の準備になる。

傍用問題集やそれと同じくらい教科書の練習ができる一冊の問題集を極めることの意味はとても大きい。
http://selflearning.seesaa.net/article/174874394.html

2年くらい前にも書いたが誰もがもっているたかが傍用問題集の中にはよい問題ばかりがつまっている。何回も改訂を繰り返された教科書の練習問題たちはおせち料理のメニューのように定番物ばかりで構成されており、ときにかなしいくらいにまるで無駄がない(そしてよく噛めばうまい)。

傍用問題集をなめんじゃねえ。
傍用問題集を味わうんだ。

基本を直接身につけないで応用的な必殺技のみをどうやって身につけられるというのだろう。
真ん中は苦手だが悪問なら解けますって、それはドカベンの中だけの話。
入試の難問奇問(のように見えるもの)が解けるのは教科書の基本ができているからである。
基本を身につけるという目的のために、教科書や傍用問題集はよくできている。
しかし教科書にはいかんせん、味がない。やっぱり水みたい。それで敬遠されてきた。

教科書は万人に合うよう、無色透明とまではいかなくともかなり薄味に作られてる。

でもこの水、よく飲んでみるとうまい。
自分のコーヒーをいれるのに欠かせない、いい水だ。
この水は捨てられない。

かつて浦和に進んだ子でこんな子がいた。
入試問題を解いて間違ったら全部教科書に線を引いていた。
記述がなければ米粒みたいに小さな文字で教科書に書き込んだ。
それは辞書みたいだった。

「こたえはこのなかに」まるでショーシャンクの映画をみているような気分になった。
彼はその辞書みたいな教科書とは別にただの書き込みのない教科書も持っていた。
「なんで?」
と尋ねられた彼曰く、「こっちの書き込みのしてない方はエッセンスなんです」

当時から塾で「図形のエッセンス」「数式のエッセンス」を使って自学自習していた。
それは中学数学のバイブルなのだが、彼は書き込みしていない教科書のことも「エッセンス」と勝手に名付け、「エッセンスの教科書」を何度も繰り返し読んでいたらしい。

どうせ読むなら書き込みしていた方をよめばいいのにと突っ込んだら、何を書き込んだかを思い出しながら読むアウトプット勉と何が書き込まれていたかを確認しながら読むインプット勉を混ぜているということだった。
こだわりがあってゴイス。

posted by ヒカリ at 15:37| 赤いマリオと緑のルイージ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月28日

練り上げる, 自分でやる勉強

(lionさんの) 「練り上げる」
http://lionlife.hakumon.info/?eid=935988

(lionさんの) 「自分でやる勉強」
http://lionlife.hakumon.info/?eid=868768
posted by ヒカリ at 06:39| この名もなき詩を | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月27日

高校生のドラフト会議

高校1年生からさきほど連絡があって最終的な進路を決める前にもう一度相談したいということだった。
授業予定はなかったがあした一番で来てもらおう。

こういうもっとも大事なことをわざわざ事前に相談してくれること、ありがたく思う。
決めるのはヴォクでないのはもちろんだが先輩方の実例と選択肢ならいくらも伝えよう。

いつも思うが高校1年生のときに決める進路は人生を大きく左右する。
人生最大の転機となることが少なくない。
言葉を選ばずに書けばどんな中学校、高校に行くかを選ぶこと以上に重大な選択がここにある。
理系、文系、第一回選択希望教科(ドラフト会議と違ってバッティングも抽選も普通はない。学校の事情でたまに選択できない教科があるけれど)。

そんな大事なことを伝えてくれて、ありがとう。ありがとう。

学年順位の向こう側

中学校の定期試験で入学以来学年一位の順位しかとったことがなく学年二位になったことがなかった中2生が3人いる(1学年300人超のマンモス中はうち1名)。
ひとりが今日も試験結果個票原本をわざわざもってきて見せてくれた。(手を合わせ一礼してから紙を開くヴォク。過程だけでなく結果も見てワトソンくんに記録しておきたい。)
そこには2位とあった。

「一位をとった子に感謝だ」と伝えた。
切磋琢磨できることはよいことだと思う。

気合も増すし何も悪いことはない。
ライバルがいてもいなくても自分との闘いは生きている限り終わらない。
自分の理想ペースはオリンピックの水泳競技中継テレビで言えば、世界記録ペースの線みたいなものだ。
「世界記録を上回るペースですね」解説者はその線を見ながら好きなことを言う。
その理想ペースがたまに現実の生身の人間になることに何のわるいことがあるだろう。
その線の先に本当の人間が2人いるのだ。
いいじゃないか!
日本を見て世界を見るならライバルや仮想のあるべき自分はたくさんいていい。

MGHがもらえないか。
まあ、ただのズクにたいした価値はない。


ところでよくなかった結果をいつものようにすぐにもってきて見せてくれてありがとう。結果を見たら振り返ることができる。
結果は見るためにある。
何番だったかという順位自体より大切なものがそこにあったよ。
振り返るということが次のレースへの備えになるんだ。
いいわるい含めて受け止めるところからしか次への道は始まらないんだ。
posted by ヒカリ at 00:07| mgh ポテンシャルエネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月25日

中高生にすすめる英語辞書

http://selflearning.blog.so-net.ne.jp/
勧めたものをあっちにも書いた。あっちには300冊くらいの独学独習問題集の書評を書いている。なぜかあっちのアクセスは花の匂いよりも多い。謎。

電車に新幹線や花見電車、寝台車などいろいろあるように、辞書にもいろんなものがある。
用例例文に強いもの、発音がつよいもの、語源が詳しいもの、検索機能に優れるもの、履歴の保持お気に入りのマークに秀でたものなど。

手にたくさんとって自分に合うものを探すのがいい。
posted by ヒカリ at 23:15| ひかり新幹線 light_shinkansen | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月21日

きょうのマサ

落合博満がやめてプロ野球やキャンプを生で観に行くことがなくなった。

きょうのマサボールもわるくなかった。
一球投げるまでに気持ちが入っていた。

http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201210/CK2012102002000087.html

今日の小学生。
「せんせー、ここあっていたのに×でした。」

「うん、読みにくい字は内容に関係なく×。0点。」

「いまから丁寧に書きます。」
posted by ヒカリ at 10:49| 133キロ怪速球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

セルフラーニングと記憶力向上

ことし高校生たちと読んだ英仏の記事の中でラーニング指導上とくに参考になった記事は下の3つ。


うたたねの効用、トリッキーなつづり字の覚え方。
http://selflearning.seesaa.net/article/295059338.html

褒め方
http://selflearning.blog.so-net.ne.jp/2012-05-16-1


書いてあったこと、調査結果は、
「うたたねを15分くらいしたら力が回復して勉強成果が出る」

「トリッキーなつづり字はこうしたら憶えやすくなる」

「子どもを褒めるときの一例 成果でなく過程に着目する」

ほかにもいくつかあったので引用元をまとめたらまた書こうと思う。

先日書いたイチロー選手の「プロセス」の言葉はとくに印象的だった。
「(試合に至る)プロセスとしてもっとやっておけばよかったというのは一切ない。」(イチロー選手)(中日スポーツよりの引用)


結果を出そうとする前に普段の練習やプロセスを徹底することを彼は意識しまた伝えてもいる。
そういうところがプロスポーツ選手としての彼の魅力のひとつだ。

昨日、数学のとてもわるい試験結果(問題用紙、答案用紙まるごと全部)をもってきてくれた子がいた。
練習ではだいぶ上達していたが本番で失敗した。

彼に西武ライオンズの中島選手が実践しているスランプ脱出法「バットを持たないで練習する」の話をした。
彼は試合で打てなくなると感覚をとりもどす(初心に帰る?)ため練習で一切バットには触らず試合の打席に入るときはじめてそれを握るらしい。

「中島選手のことはよく知っています」と彼は答えた。

結果を出すために何回も100点という言葉を出した。
でも失敗した。
どうしたら100点がとれるのかもう策がつきた。
荒療治で毎日2、3時間それを練習するという方法(それがきっとふつうでまともな解決策だ)と、バットを置くという方法の選択肢を示した。
結果が出ないときに人はあきらめる。



そのあきらめたあとどういう考えを持つのか。

あきらめたままでいるのか、思い切って行動にうつすのか。
どうするのかを見ていよう。

彼は悩んでいる様子だった。
それは努力して練習していることの証でもある。








中学1年の頃、記憶術の本をいくつか購入した。中に1つよいものがありその「連想式」のものをトレーニングし覚えるまで覚え、思い出すまで覚える記憶術をつかんだ。
カセットテープ解説のついた本だったが古本屋であの本と出会えていたのは今考えても幸運だった。

10月模試の結果を分析した。子ども達には個票の写しをいつものように返却した。
中3では、国語100点と95点が全体の半数あり考える学習については(全体として)わるくないとわかった。5科と3科でみると5科の方が3科を上回ることがずっと続いており暗記力のトレーニングについても(全体としては)わるくないとみた。暗記については小学生のころに毎週約40項目を課してきた。漢字なら週速30語。国語力が確実に上がる。

今の小学生も同じ。それを年間48回つづけている。満点主義の子たちは年間で約2000のことばを憶えられる。この差が実力差をつくる。
偏差値平均の一番よいのは今年の代も数学。小学生の頃から中学数学をやっているので自然の流れ。


それでも合格判定はおもわしくない。難関は遠い。
11月模試、12月模試の次の2回で結果を出すしかない。

理解型学習と暗記型学習のどちらかだけが進んでいてどちらかが遅れていては難関の合格は果たせなくなる。結果の個票は直視するため机にはりつけてしまえ。
今、課題があるのは問題ではない。本当に困るのは3か月後に状況が好転しないことだ。
今週覚えるべきことはどこなのか。
それを覚えるために隠してサクサク言えるようになったのか。
今週トレーニングするべき技術はどれなのか。白紙に短い時間でスラスラと書けるまで繰り返し練習したのか。当たり前のことをやるだけで実力は上がる。やるしかない。
posted by ヒカリ at 06:48| 特急ひかり新幹線 hikari | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月20日

きょうのイチ

きょうのイチもわるくなかった。


「(試合に至る)プロセスとしてもっとやっておけばよかったというのは一切ない。」(イチロー選手)(引用)



(引用)中日スポーツの紙面より
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/mlb/news/CK2012102002000159.html
posted by ヒカリ at 08:53| 133キロ怪速球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月18日

きょうのイチ

posted by ヒカリ at 06:40| 133キロ怪速球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

勉強ブーメラン

塾生がいつものようにメールで学校で行われた中間試験結果を戻ってくるごとに教えてくれた。

ついでに今度学校で行われるという「確認テスト」の範囲表も添付されていた。
今までの範囲なのでとくに対策というものは何も一切しないけれど珍しい試験があるものだ。
過去6年間では初のケースだな。

中間試験と期末試験があってさらに確認試験があるのだなと。
メモメモ・・・。

同じ学校でも二期制と一期制では学習のスタイルにも影響がある。二期生だと年間の定期的な試験が4つと比較的に少なくなっているので。

三学期制の学校では年間の定期的な試験が5回ある。その上さらに確認試験があるのとないのとで何かの変化があるだろうか。それを実験・測定しようという試みなのだろうか。
塾生に聞いてみよっと。

この学校は前回の定期試験で出した問題の一部を次の定期試験でそのまま数字も変えずに出すなど「確認」というものに真にこだわっている学校だ。
確認を徹底しているのが試験問題からもしっかり伝わってくる。

きょうは中3, 10月の会場模試(北辰テスト)結果が戻った。
教科別にじっくり眺めた。5科、3科とも年度当初の塾生平均目標は達成。(平均68, 全員65以上が私の個人目標.)個人は未達で次回に持ち越し。
ここ数年毎年同じ数字を目標にして指導・運営している。
個人別に見ると前回9月よりも全員が数字(偏差値)をさらに上げてきている。
結果はただの結果に過ぎないが、会場模試なので、答案用紙以外には結果しか見るところがない。
この模試は経過などを確認するために全員必修、過年度とも比較して進捗確認に利用している。
どういう過程を経たらどういう結果になっているのかを想像しながらあーでもないこーでもないと長時間見る。
志望校までの距離という点は念入りに確認し、鉄人計画、連絡帳の月間計画、週の子別セルフ課題へと落とし込む。


ずっと何年間も読み解き・要約と書き直しを続けている国語の塾生平均が5科目で最高の数字になった。
やはり練習に熱意と時間をかけたのに比例するものかな。(でも国語が600英文と1250単語覚えた光英語や、鉄人数学まで抜いたのには驚いた。土俵が違うので比べられないけど。)

練習は裏切らない。
本気で望んだところ、目標というものがある。
夏休みにそこをめざしてやったことは今結果として帰ってきている。
そしていま取り組んでいる練習の成果も11月12月1月までにジワジワと現れてくる。
今練習すれば必ず今後帰ってくる。
ブーメランよりも精確に。

たとえば、「動物の鉄人」がいたとして模試で「動物」の問題が出題されたときに悪い結果をとることは基本的にはなかなかありえない。
知識にはそういうところがある。

いま取り組んでいるテーマを極めることなくして教科の上達というものはない。

いま取り組んでいる目の前の1問の習得なくして分野の上達というものはない。

だから、いま取り組んでいる目の前の1問だけに集中していこう。

この1問についてなら日本一よく解けるというくらいの覚悟で取り組めているなら何も問題ない。

勉強ブーメランはそういうふうになっている。



image-00241018011944.png
画像はヴォクが高校受験生だったときに使っていた本。こういう本はなつかしくて捨てられない。ラサールのいとこの真似をして「A級中学数学問題集」や「ぐんぐん数学」と一緒にずっと解いていた。「難問」は139問と問題数こそ少なかったがおもしろい難問題揃いで5周くらい繰り返した。
今で言う「1対1対応の数学」みたいな本だった。

「A級」の方は今でも現役で「1対1の数学」と合わせてウラウラコース/早本コースの必修教材になっている。
posted by ヒカリ at 00:35| 考える帽子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月17日

きょうの高校3年生

進学が決まり塾を卒業した高校生がお母様と一緒に来てくれた。6年前にはじめて塾にきたあの日も雨だった。
キー坊とはじめて会った日は雨だった。

6年間いっしょに勉強してきたが、定期的に会うことももうなくなるとわかると、さびしい。きょうが雨でせめてよかった。

M3、今までありがとうございました。
お母様お父様へ 今まで大変お世話になりました。

ご進学おめでとうございます。
これからも持ち前のタフさでがむばってください☆

posted by ヒカリ at 22:51| キー坊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

きょうのイチ

posted by ヒカリ at 11:20| 133キロ怪速球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする